2012年7月30日月曜日

山梨ぶどうの会 ~長谷部先生を迎えて~

先日、7月27日は山梨ぶどうの会が行われました!

今回は特別講演として、国立がん研究センター東病院 病理科・臨床検査科の
長谷部孝裕先生をお迎えして、「乳癌の正しい悪性度評価」について御講演いただきました!


山梨大学の乳腺チーフ 川崎先生、
長谷部先生、加藤先生


御講演では、乳癌の組織学的予後因子、
特に予後因子としての腫瘍間質についてお話しいただきました。


分子病理学的成果として、今盛んに言われている腫瘍‐間質のcross talkですが、
組織形態からそれを類推し、予後との関連を見出すという、新鮮な内容でした♪
明日からの乳癌診断に、また一つ注目点ができました☆

膨大な症例を背景とする予後解析のデータに、一同感銘を受けました!


当日は、病理診断科のスタッフのみならず、
乳腺外科の先生、病理、超音波検査をはじめとする臨床検査技師さんにも
多数お越しいただきました♪



そして、いつもの定番、打ち上げです!
今回は納涼会としておいしくビールを飲みました♪

遠くからお越しいただいた長谷部先生、本当にありがとうございました!

2012年7月25日水曜日

公開講座”目で見る人体のがん” & 反省会

山梨大学では高校生向けの様々な公開授業、出前講義など行っています
7月24日は公開講座”目でみる人体のがん”を人体病理学/病理診断科が行いました。

前半はがん病理の講義

ヒトのがんとはどういう病気なのかを病理学的側面から高校生に学んでもらいます。
ヒトはなぜがんで亡くなるのか、がん細胞とはいったいなにか、がんが発生するメカニズムとは?
医学部で教わるようなハイレベルな内容なので、若干難しかったかもしれません。


後半はがん病理の実習
ヒトのがんを目で見て触り、顕微鏡でも癌細胞を観察します。
実習を担当するのはボランティアで参加してくれている山梨大学医学部の医学生達です。




医学部受験や大学生活の話題などでもずいぶんと盛り上がっていました。 





夜は指導スタッフと医学生で“ 反省会 ”です。この反省会も今年で3回目となりました。
(場所: コリアンキッチン3匹の子ぶた、大里町)




 タッカンマリ(丸鳥の鍋)とサムギョプサル(厚切り豚肉)はGOOD!

協力してくれた医学生のみなさん、本当にお疲れさまでした
来年もまたよろしくお願いします <(_ _)>

来年の反省会はフレンチの予定です

2012年7月21日土曜日

山梨腎生検カンファレンス

2012年7月20日(金)第14回 山梨腎生検カンファレンスが山梨県立中央病院にて開催されました。
山梨県内の腎生検を扱う腎臓内科、小児科(腎)、病理診断科の先生が集まり、難解な症例を臨床側、病理側から検討します。山梨大学病理診断科からは山根、近藤、大石の3人が参加しました。

腎生検は病理検査の重要な柱の一つですが、やや特殊なので苦手な病理医も結構います(管理人2号は残念ながら苦手です)。診断には症状、血液所見、尿所見、臨床経過、合併症、家族歴、既往歴が大きく影響を与えるため臨床情報を十分に理解しておく必要があるのはもちろんのこと、特殊染色、蛍光免疫染色、電子顕微鏡などの病理側のデータも多く、これらの情報を統合して診断を導くには医師としての総合力が必要となってきます。

PAS染色:
問題: 2つの糸球体が写っていますが、どのような所見があるでしょうか?

答え: 
左 分節性硬化、右 全節性硬化
上の写真は糸球体硬化を示していますが、これは単なる所見であり、腎臓に糸球体硬化が何故起きたのか、これからこの腎臓はどうなるのかを考えるのが腎生検の病理診断です。

IgGの蛍光免疫染色
問題: 染色パターンは?

答え:
IgGの顆粒状沈着が基底膜に全節性にみられる
糸球体腎炎の蛍光免疫染色のパターンを覚えるのは医学生にとってなかなかやっかいですよね。
これには少しコツありまして、腎炎→染色パターンの順で覚えるのではなく、染色パターン→腎炎でも覚えるとよいかと思います。これは実際に診断する上でのプロセスでもあります。

IgAのメサンギウム領域への沈着  → IgA腎症、紫斑病性腎炎
IgG、C3の基底膜への顆粒状の沈着  →  膜性腎症、急性糸球体腎炎
IgG、C3の基底膜 ± メサンギウムへの顆粒状の沈着  → 膜性増殖性糸球体腎炎、
IgGの基底膜への線状の沈着  →   Goodpasture症候群
(※ 当然ながら例外もあります)
近藤、長田先生(筑波大学)、若杉先生(山梨県立中央病院)


長田道夫先生(筑波大学 腎・血管病理学教授) には毎年この会でご指導いただいています。
管理人2号はいつも励みとなるお言葉を長田先生からいただき(内容は内緒 (・・。)ゞ テヘ )、頑張れちゃうようになります。

2012年7月6日金曜日

研修医おつかれさま会

先日、6月30日(金)に、病理診断科を選択してくれた
研修医の先生2人のおつかれさま会をしました(^^)v


場所は、甲府市のFour Hearts Cafeです!
オシャレなお店に おじさん イケメンばかり8人で押しかけるという事態に(^_^;)
世界の色々なビールが置いてありました☆

まずは1ヶ月選択してくれた村上先生です!

望月先生と
なぜか体育会系(笑)


村上先生はいつもアクティブで、臨床的な事項もいろいろと教えてくれて助かりました!
感想文を寄せてくれました!


 1か月間という非常に短い期間ですが、病理診断科を研修させてもらい、病気・疾患に対して臨床とはまた違った形で接することができたのは自分にとってプラスになりました。細胞診や組織診をどんな形で進めているのかを身をもって経験できたことはよかったと思います。

 手術の迅速標本の作製は脂肪組織の多い検体だと大変だとか、免疫染色にはそれなりにお金がかかるだとか、病理側の視点に立たないとよくわからなかった点も多かったです。特に顕微鏡の画像だけでなく、「臨床からの情報も病理診断を行うのに非常に大切」だということを研修を通して学べたことは大きかったと思います。今後、細胞診や生検の検体を病理に提出するときの依頼表も、できるだけ簡潔かつ詳細な依頼表を書くように心がけたいと思いました。


削りたてのお肉(干し肉??)
とーっても美味しかったです♪
次は河西先生です!


左から河西先生、大石、坂本技師



河西先生は3か月病理を選択してくれました!
3か月の間には、合同CPCでの発表や病理解剖なども一緒に行いました!
最初は戸惑いながらだった切り出しも、あっという間に上手になって、
終盤には報告書の下書きがほとんどそのまま採用されることも増えました☆

河西先生からも感想をいただきました!!


本年四月から三か月間病理で研修させて頂きました研修医です。 これまで病理での研修はあまりに格調高く敬遠されがちだったようで、僕が図々しくも居座った三か月間というのは現時点では最長の期間だったとのことです。そこで一年の四分の一ほどをお世話になった先生方への感謝の意味も含めて、研修の感想など書かせて頂きたいと思います。   

病理での研修の良い点としてまず挙がるのが、とにかくその内容が実践的であるということです。研修医に応じて仕事量の調節はありますが、基本的に検体の切り出しから診断、レポート作成に至るまで、ほぼ現職の先生方と同様の業務を体験することができます。もちろん研修医ゆえ、知識の不足など問題点はありますが、病理部内には豊富に教科書が置かれており、また何よりも仏のように心優しい先生方が常駐して下さっているので、空っぽの頭から出発しても、その都度満足のいく結論にまでたどり着くことが可能です。また、そうして作り上げたレポートに自分の名前が添えられ、臨床の場へと送られていくのには、何やら得難い達成感が含まれているようにも思います。よしんば病理に興味のない研修医であっても、病棟から遠く、とかくブラックボックスになりがちな病理診断のシステムに触れる機会は貴重であると感じますし、特に外科領域に志望があるのであれば、手術室から診断までをスムーズに連絡するための心構えを学ぶことができるという点で非常に有意義かと思います。とにかく、少しでも病理が気になる研修医は、ごく短期間でも選択してみれば良いです。少なくとも後悔はしないはずです。

まあ要するに、一度はおいでよ病理診断科、と言ったところです。

さて、概ね書きたいことは書き尽くしましたので、最後に、この三か月間、丁寧なご指導下さいまして本当にありがとう御座いました、との謝辞を添えて締めさせて頂きます。


二人とも、ありがとうございました☆

やはり研修医の先生がいると、にぎやかで、ディスカッションもさらに進み楽しいです♪
これからも、各々の先生の興味・進路に沿った、
楽しく役に立つ研修を提供していけるように、頑張りたいと思います!

2012年7月3日火曜日

病理学サマーセミナー2012

Coming soon !

<病理学サマーセミナー2012: 研修医・学生のための病理学入門>

この夏,日本病理学会関東支部が1回病理夏の学校として初期臨床研修医・医学生を対象としたセミナーを慶應大学にて開催します。

病理に興味をもつ臨床研修医、医学生の参加をお待ちしています!

(山梨大学 病理診断科 病理 ブログ)